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【診療Tips】局所麻酔薬の極量

Key Point Summary

【極量】

0.75%アナペイン:3mg/kg

1%キシロカイン:5mg/kg

1%Eキシロカイン:7mg/kg

        (※1%キシロカイン10mlは、キシロカイン(リドカイン)を100mg含有)

 

 

Q & A

 

レジデント
局所麻酔手術でよく使う1%Eキシロカインって、何が1%なのですか?

「1%」は「キシロカイン」にかかるよ。キシロカインに10万倍エピネフリンを添加したのが1%Eキシロカインだね。本当は、"E入り(10万倍エピネフリン添加)の1%キシロカイン"のほうが混乱がないね。
指導医


 

 

 

Outline

 

1%キシロカイン

  • 伝達麻酔、浸潤麻酔、表面麻酔に適応あり。
  • 1%キシロカイン10mlには、キシロカイン(リドカイン)が100mg入っている(下の写真のようにラベルに表示されている)。
  • 極量: 4〜5mg/kg(60kgの人だと240〜300mg、つまり使用量は3本=30ml以内に留める)

1%キシロカイン

 

外来には、100mg/10ml or 50mg/5mlがおいてあることが多いよ。
指導医

 

 

1%Eキシロカイン

  • エピネフリン(=アドレナリン)が入ったキシロカインのこと。
  • ボスミン=エピネフリン=アドレナリンの認識でOK。
  • 血管収縮作用のあるエピネフリンが入ることで、以下のメリットがある:

 ①局所麻酔薬の吸収が緩徐になる
  →作用時間が長くなる
  →局所麻酔薬中毒になりづらい

 ②出血が少なくなり手術が容易になる

 

レジデント
E入りは止血効果だけじゃなくて麻酔の作用時間も長くなるんですね!

  • 1%Eキシロカインには、10万倍希釈のエピネフリン液が添加されている。つまり「ボスミンⓇ1A=0.1%エピネフリン=1000倍アドレナリン=1mg/1ml」の1/100 が入っている。
  • 極量:7mg/kg(60kgの人だと420mg、つまり使用量は40ml以内に留める)。

1%Eキシロカイン

 

例えば、1%Eキシロカイン10ccに生理食塩水10ccを足して計20ccにした場合、1/2E(20万倍ボスミン)入り0.5%キシロカインになります。キシロカインを薄めたくない時は生食ではなく1%キシロカイン10ccで等倍希釈するといいよ。その場合は、1/2E(20万倍ボスミン)入り1%キシロカインになるね。
指導医

 

 

0.75%アナペイン(ロピバカイン)

  • 硬膜外麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔に適応あり。
  • 20mlに150mgなので100mlで750mg=0.75gになり、0.75%となる。
  • 長時間作用型(6〜8時間)の局所麻酔薬。
  • 極量:3mg/kg
  • 浸潤麻酔でも使用可能である。


アナペインはもともと浸潤麻酔の適応がなかったが、海外での使用実績が蓄積されており、その有用性に関して多くの報告があることから平成24年3月16日に保険請求が認められた。

0.75%アナペインの添付文書では、成人に1回40ml(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)300mg)まで投与可能となっており、教科書によってやや記載にバラツキがある。極量=3mg/kgであれば安全ととらえておくと良い。

0.75%アナペイン

 

ポイント

局所麻酔薬の極量

0.75%アナペイン:3mg/kg

1%キシロカイン:5mg/kg

1%Eキシロカイン:7mg/kg

 

 

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