形成外科

形成外科 保険診療のピットフォール

■ 保険 vs 自費の境界

【瘢痕治療】
Q. リストカットの瘢痕修正は保険?or 自費?
A. リストカットは自傷なので本来は自費診療になる。しかし、精神科通院歴があり(or 初診時に精神科介入によりうつ病などの病名がつく)、且つ、異常瘢痕の治療であれば保険適応になる可能性がある。

● 異常瘢痕(肥厚性瘢痕・ケロイド)=保険 
○ 成熟瘢痕=自費
○ 過去にレーザーなど自費治療歴があれば自費
● 自傷によるものは精神科通院歴があり精神科疾患と自傷に関連性あれば保険

※小川令Dr:精神科通院歴 & 肥厚性瘢痕の病名で保険にしている。
※瘢痕ケロイドのガイドラインシンポジウムでも、機能障害を伴わないいわゆる醜状瘢痕のrevisionが保険か自費かは、見解分かれている。(朝日Drより)
※リストカットによる動脈切断、腱・神経断裂などは、日本医科大学付属病院では、精神科コンサルテーションをたてたうえで、保険で治療している。この対応で過去に問題になったことはない。ただし江戸川病院ではリストカットはすべで自費対応とのこと。院内に精神科がないのが1つの理由。病院によって対応が異なる可能性がある。

■ いぼ等冷凍凝固法(J056
1: 3箇所以下 210点
2: 4箇所以上 270点
★この「箇所」は個数ではないので、J056-2は部位が4箇所以上(例:顔、頚部、腹部、背部など)でないと請求できない。
★2018年の診療報酬改定で、鶏眼・胼胝処置はこれまで月1回に限られていたが、2回まで算定可能となった。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

小野真平(形成外科医)/ Shimpei Ono(Plastic Surgeon) 

日本医科大学形成外科学教室 准教授/医師。Advanced Medical Imaging and Engineering Laboratoryを主宰。 手足の形成外科、マイクロサージャリー、再建外科を専門とし、臨床・研究・教育に従事。可動式義指の開発、VR教育、3D超音波や医用画像工学の応用、PROsを重視した研究を展開。 美術解剖学や医療イラストレーションにも造詣があり、芸術と医学の融合をテーマに講演・執筆。教育活動では学生・研修医指導のほか、東南アジア医学研究会(Ajiken)部長として国際医療交流・災害医療にも取り組む。

-形成外科

© 2025 マイナー外科・救急 Powered by AFFINGER5