手外科

【診療Tips】手のファンクショナル・エステティック ユニット(functional aesthetic units and subunits of the hand)

Key Point Summary

 

手のファンクショナル・エステティックユニットを理解する。

ユニットサブユニットの輪郭に再建部の境界線をあわせることで良好な手指機能が獲得でき、整容的にも綺麗である。

縫合線が掌側の皮線を直交する場合は、瘢痕拘縮をきたしやすいため、皮線をまたぐ部位に小さい Z plasty を加えるとよい。  

     

 

 

手のファンクショナル・エステティック ユニット(functional aesthetic units and subunits of the hand)

(Ono S, Sebastin SJ, Ohi H, Chung KC. Microsurgical Flaps in Repair and Reconstruction of the Hand. Hand Clin 2017;33:425-441.)

  • 手・手指の再建においては、手・手指を皮線(crease)側正中線(mid-lateral line)を境界線としていくつかのユニット(unit)に分割し、皮弁辺縁やドナーの縫合線をユニットの輪郭にあわせた再建をすることで機能的・整容的に優れた結果を獲得できる。
  • この概念は手のファンクショナル・エステティック ユニット(functional aesthetic units and subunits of the hand)と呼ばれる。
  • ユニットの輪郭に再建部の境界線をあわせることで良好な手指機能が獲得でき、整容的にも綺麗になるようにユニットが規定されている。
  • ユニットは、指ユニット(digital unit)手ユニット(hand unit)に大別できる。

PIP関節の掌側では皮線に一致するようにサブユニットの輪郭が設定されているけど、背側ではPIP関節屈曲時に関節上の皮膚が十分に伸展することが求められるため、関節を1枚の皮弁でまたいで被覆するように円形に設定されているよ。
指導医
 

 

  • 皮弁辺縁やドナー縫合線がやむを得ず掌側の皮線を直交する場合は、瘢痕拘縮をきたしやすいため、皮線をまたぐ部位に小さい Z plasty を加えたり、ジグザグ(step-ladder)にするなどの工夫が求められる。
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小野真平(形成外科医)/ Shimpei Ono(Plastic Surgeon) 

日本医科大学形成外科学教室 准教授/医師。Advanced Medical Imaging and Engineering Laboratoryを主宰。 手足の形成外科、マイクロサージャリー、再建外科を専門とし、臨床・研究・教育に従事。可動式義指の開発、VR教育、3D超音波や医用画像工学の応用、PROsを重視した研究を展開。 美術解剖学や医療イラストレーションにも造詣があり、芸術と医学の融合をテーマに講演・執筆。教育活動では学生・研修医指導のほか、東南アジア医学研究会(Ajiken)部長として国際医療交流・災害医療にも取り組む。

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