ER 形成外科

【診療Tips】LRINEC score(ライネックスコア)

Key Point Summary

LRINEC(Laboratory Risk Indicator for Necrotizing Fasciitis)score は、壊死性筋膜炎を診断するための補助的診断ツールである。

項目は、CRP、WBC、Hb、Na、Cre、Gluである。

LRINEC score ≧ 6点で壊死性筋膜炎を疑う。

壊死性筋膜炎の発症早期では LRINEC scoreが<6点のこともあり、臨床、画像所見と併せて総合的に判断する。

 

 

Q & A

レジデント
壊死性筋膜炎を診断するにあたって、LRINEC scoreってどの程度信頼していいんでしょうか?
あくまでも補助的診断ツールとして有用という認識でいたほうがいいよ。LRINEC score 0点 の壊死性筋膜炎*も報告されているからね。臨床所見、画像所見、LRINEC scoreを組み合わせて総合的に判断するようにしよう。
指導医

*Wilson MP et al. A case of necrotizing fasciitis with a LRINEC score of zero. J Emerg Med 2013;44:928-931.

レジデント
総合的に判断するってことは、確定診断のための決め手が乏しいってことでしょうか?
壊死性筋膜炎は進行すれば、誰でも診断できるよ。ただ、壊死性筋膜炎は致死的な重症感染症で急速に進行するから、できるだけ早期に診断したいんだけど、この早期診断が難しいんだ。壊死性筋膜炎は、軟部の浅い層(真皮・皮下浅層)の感染である蜂窩織炎と比較すると、より深い筋膜レベルで感染が広がるから皮膚所見は乏しいよ。皮膚所見(紅斑、水疱など)がある範囲をこえて圧痛を認める場合は壊死性筋膜炎を疑うよ。
指導医

 

左下肢の壊死性筋膜炎。紅斑、水疱、血疱、紫斑を認める。皮膚所見の範囲を超えた圧痛を認め、LRINEC scoreは9点。

 

左上肢の壊死性筋膜炎。右環指に血疱を認める。前腕まで圧痛を認め、LRINEC scoreは7点。

 

壊死性筋膜炎は、軟部の浅い層(真皮・皮下浅層)の感染である蜂窩織炎と比較すると、より深い筋膜レベルで感染が広がるため皮膚所見は乏しい。

 

 

LRINEC score(ライネックスコア)

Wong CH, et al. The LRINEC(Laboratory Risk Indicator for Necrotizing Fasciitis)score: a tool for distinguishing necrotizing fasciitis from other soft tissue infections. Crit Care Med 2004;32:1535-1541.

 

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小野真平(形成外科医)/ Shimpei Ono(Plastic Surgeon) 

日本医科大学形成外科学教室 准教授/医師。Advanced Medical Imaging and Engineering Laboratoryを主宰。 手足の形成外科、マイクロサージャリー、再建外科を専門とし、臨床・研究・教育に従事。可動式義指の開発、VR教育、3D超音波や医用画像工学の応用、PROsを重視した研究を展開。 美術解剖学や医療イラストレーションにも造詣があり、芸術と医学の融合をテーマに講演・執筆。教育活動では学生・研修医指導のほか、東南アジア医学研究会(Ajiken)部長として国際医療交流・災害医療にも取り組む。

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