はじめに
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医療従事者や研究者にとって、海外出張は学会発表や国際会議、病院視察など、キャリア形成に欠かせない機会です。
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しかし、長距離移動ではスーツケース破損というトラブルが発生することも少なくありません。特に、貴重な資料や医療機器を運ぶ場合は深刻な問題になります。
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この記事では、海外旅行保険を利用したスーツケース破損時の補償手続きを、特に重要なPIR(Property Irregularity Report)取得の観点からわかりやすく解説します。

壊れたスーツケース
破損に気づいたらまずPIRを発行!
- スーツケースが破損していた場合、補償手続きの第一歩はPIR(Property Irregularity Report)の取得です。
- これは航空会社が発行する破損証明書で、保険会社に請求する際に必須となります。
- 空港での手続きフロー:
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バゲージクレームで受け取った直後にスーツケースを確認。
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破損を発見したらその場で航空会社カウンターへ。
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「PIRを発行してください。Please issue a PIR (Property Irregularity Report )for my baggage.」と伝える。
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破損部分をスマホで撮影して証拠を残す。
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PIR (Property Irregularity Report )
⚠ 注意ポイント
空港を出てしまうとPIRが発行できず、保険請求ができないケースがあります。
現場対応が最優先!
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補償を受けるルート
破損が起きた場合、補償を受けるルートは大きく分けて3つあります。
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航空会社による補償
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クレジットカード付帯の海外旅行保険
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旅行時にオプション加入した海外旅行保険
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海外旅行保険の請求に必要な書類
- 以下は実際に案内に記載されている必要書類(添付画像参照)です。
書類名 | 必須度 | ポイント |
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保険金請求書 | ◎ | 指定フォーマットに記入 |
PIR(破損証明書) | ◎ | 航空会社カウンターで発行 |
修理見積書 | ◎ | 修理不能の場合は「修理不能証明書」 |
破損部分の写真 | ◎ | 破損箇所を鮮明に撮影 |
eチケット控え | △ | 旅行期間を証明するため |
利用明細書(クレカなど) | △ | 出張に関連する決済記録 |
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海外旅行傷害保険保険金請求書
3. 補償額と自己負担額
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海外旅行保険による、補償の一例です:
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1個あたり 最大10万円まで補償
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自己負担額3,000円 を差し引いて支払い
実際の補償額は、購入時の金額やいつ購入したかなどによって変動するよ。指導医 -
4. 医療従事者が注意すべきポイント
海外出張では、医療従事者特有の荷物リスクがあります。
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医療機器や研究機材は別途保険を確認
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海外旅行保険では対象外になることがあります。
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高額機材は事前に特約加入を。
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PIRを最優先で取得
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出張スケジュールが過密でも、必ず現場で発行。
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領収書・見積書を保管
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経費精算と保険請求を同時進行するために必要。
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5. 手続きのタイムライン(目安)
ステップ | 目安時間 | ポイント |
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空港でPIR発行 | 到着後すぐ | 発行がないと補償不可 |
保険会社への連絡 | 1〜2日以内 | メール or LINE |
書類準備・送付 | 1週間以内 | 写真・領収書を揃える |
補償金受領 | 2〜4週間 | 不備がないかチェック |
まとめ
- 海外出張中にスーツケースが破損した場合、PIRをその場で発行することが最重要ポイントです。
- その後は、海外旅行保険に必要な書類を揃えてスムーズに補償手続きを進めましょう。
- 医療従事者は、学会資料や機材など重要な荷物が多いため、事前の保険確認と迅速な対応が成功の鍵になります。
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