Key Point Summary
蜂窩織炎は、真皮〜皮下脂肪の急性化膿性感染症である。 抗生剤の投与に加えて、患肢の安静、挙上、冷却が大切である。 リバ湿布はエビデンスがない。
Q & A
Outline
【病態】
- 真皮&皮下脂肪(=蜂窩織と呼ぶ)に細菌が侵入・増殖して生じる急性感染症である。
- 黄色ブドウ球菌やレンサ球菌が原因のことが多いが、真菌、インフルエンザ菌、Vibrio vulnificus、パスツレラ菌なども報告されている。
- 原因:
①皮膚のバリアが破綻:外傷、虫刺されの掻き壊し、アトピー性皮膚炎
②循環障害:リンパ浮腫、静脈還流障害
③ 肥満
④ 易感染性宿主: 糖尿病や抗癌剤治療中)
⑤ 皮膚感染症: 足白癬
- 症状:局所の紅斑、浮腫、熱感、圧痛である。経過中に膿瘍形成することがある。菌が全身に及ぶと発熱、関節痛などを認める。
【検査】
- 血液検査:WBC↑、好中球核の左方移動、CRP↑。
- 細菌培養:膿瘍形成をした場合は膿汁の細菌培養検査をおこなう。皮膚のスワブ培養は常在菌を検出するのみで意味がない。
- 血液培養:発熱など全身症状を有する場合。
- CT:必須ではなく、あくまでも補助診断。皮下脂肪の腫脹と混濁を認める。
【治療方針】
- 抗生剤の投与。
- 患肢の安静、挙上、冷却。
- 原因が分かっている場合は、その治療をおこなう。
【処方箋】
【入院】
- セファゾリンNa点滴静注用1gバッグ 1回2g 8時間ごと
【外来】
- ケフラールカプセル(250mg) 1回2カプセル 1日3(〜4)回 毎食後(&寝る前)
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