形成外科 手外科

【Step by Step 手術手技】滅菌手袋を使った指タニケット(指ターニケット)法

Key Point Summary

指タニケットの併用で、無血野で指の手術が可能になる。

手袋法とネラトンカテーテル法がある。

手術終了後に駆血をOFFするのを忘れずに!

駆血時間は90分以内に留めよう!

 

 

 

 

Q & A

 

レジデント
指タニケットってどんな時に使用するんですか?

PIP関節以遠の指の手術で使用するよ。無血野で手術することができるので、神経血管束を不用意に損傷するリスクを減らすことができるよ。
指導医

レジデント
指タニケットって実際にどうやってつけるんですか?

手袋を使う方法とネラトンカテーテルを使う方法が有名だよ。ここでは滅菌手袋を使った指タニケット法を紹介するよ。
指導医


 

Step by Step

 

■ Step 1 

  • 滅菌手袋(サイズはなんでもOK)の指1本を付け根から剪刀でカットする。 

 

 

■ Step 2 

  • 指先をわずかにカットして、小さな穴をあける。

この穴を大きくしすぎるとタニケット効果が減弱する。

 

 

 

■ Step 3 

  • 患指の指先から上記で加工したゴム手袋をクルクルと回転させながら指基部まで移動させる。

駆血がうまく効くと指が白くなる。白くならない(=駆血が不十分)場合は、STEP2での穴が大きすぎる可能性がある。

 

 

■ Step 4 

・手術がおわったら、必ず指タニケットのゴムをカットして駆血をOFFする

指タニケットを解除せずに、そのままガーゼドレッシングをしてしまい医療事故になったケースがあるので注意する(特に助手にドレッシングをまかせる場合など)。

指タニケットにモスキートをかんでおいて終了時にタニケット解除を忘れないように医療事故対策をしている施設もある。

 

駆血時間は90分以内に留めよう。それ以上 駆血すると神経障害が生じる可能性があるよ。
指導医

 

ポイント

  • 手術がおわったら、駆血をOFFするのを忘れずに!
  • 駆血時間 ≦ 90分

 

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小野真平(形成外科医)/ Shimpei Ono(Plastic Surgeon) 

日本医科大学形成外科学教室 准教授/医師。Advanced Medical Imaging and Engineering Laboratoryを主宰。 手足の形成外科、マイクロサージャリー、再建外科を専門とし、臨床・研究・教育に従事。可動式義指の開発、VR教育、3D超音波や医用画像工学の応用、PROsを重視した研究を展開。 美術解剖学や医療イラストレーションにも造詣があり、芸術と医学の融合をテーマに講演・執筆。教育活動では学生・研修医指導のほか、東南アジア医学研究会(Ajiken)部長として国際医療交流・災害医療にも取り組む。

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