形成外科 手外科

【診療Tips】手指の(1)安全肢位と(2)機能肢位の違いは?

レジデント
手指の(1)安全肢位と(2)機能肢位ってどう違うんですか?

この両者は混同しやすいよね。
指導医

 

(1) 安全肢位 safe or intrinsic-plus position

  • 手指の外固定を行う上で関節拘縮を生じさせない肢位
  • 手関節は背屈位10-20°、MCPJ屈曲70-90°、IPJ伸展0°、母指対立位
  • MCPJを伸展固定すると側副靱帯が短縮したままになるので伸展拘縮になる
  • PIPJを屈曲固定するとvolar plate、check rein ligamentが短縮したままになるので屈曲拘縮になる

 

(2) 機能肢位=良肢位 functional position

  • 関節が動かなくった場合に、日常生活動作において支障の少ない肢位
  • 手関節は背屈位10-20°、手指はボールを握るような肢位

 

ポイント

  • 安全肢位は、拘縮を来さない安全な肢位
  • 機能肢位は、関節が動かなくなった場合に最低限機能する肢位(ボールを握る形)

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小野真平(形成外科医)/ Shimpei Ono(Plastic Surgeon) 

日本医科大学形成外科学教室 准教授/医師。Advanced Medical Imaging and Engineering Laboratoryを主宰。 手足の形成外科、マイクロサージャリー、再建外科を専門とし、臨床・研究・教育に従事。可動式義指の開発、VR教育、3D超音波や医用画像工学の応用、PROsを重視した研究を展開。 美術解剖学や医療イラストレーションにも造詣があり、芸術と医学の融合をテーマに講演・執筆。教育活動では学生・研修医指導のほか、東南アジア医学研究会(Ajiken)部長として国際医療交流・災害医療にも取り組む。

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