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【保険診療Tips】下肢創傷処置(2022年診療報酬改訂で新設)の徹底解説! Key Point Summary 下肢創傷処置(J000-2)は2022年の診療報酬改訂で新設された。
足関節以遠で(=下腿潰瘍は適応外)、且つ、褥瘡・熱傷以外が原因の創傷の処置が対象となる。
足趾の「浅い」創傷処置は適応外→従来の創傷処置(J000-1: 52点)で請求する。
■関連記事:【保険診療Tips】2022年4月の診療報酬改定の変更点(形成外科編)
Q & A レジデント
2022年の診療報酬改訂で下肢創傷処置(
J000-2 )が新設されましたよね?「下肢」創傷処置ですが、下腿潰瘍は含まれないんですか?
そう、含まれないよ。足関節以遠のキズの処置が対象になるよ。
指導医
レジデント
足関節以遠のキズの原因が褥瘡や熱傷の場合はどちらで算定したらいいのですか?
指導医
ポイント
足部(踵を除く。)の浅い潰瘍: 135点 足趾の深い潰瘍又は踵の浅い潰瘍: 147点 足部(踵を除く。)の深い潰瘍又は踵の深い潰瘍: 270点 ★補足
(1) 各号に示す範囲とは、下肢創傷の部位及び潰瘍の深さをいう。
(2) 下肢創傷処置の対象となる部位は、足部、足趾又は踵であって、浅い潰瘍とは潰瘍の深さが腱、筋、骨又は関節のいずれにも至らないものをいい、深い潰瘍とは潰瘍の深さが腱、筋、骨又は関節のいずれかに至るものをいう。
(3) 下肢創傷処置を算定する場合は、区分番号「J000 」創傷処置、区分番号「J001-7 」爪甲除去(麻酔を要しないもの)及び区分番号「J001-8 」穿刺排膿後薬液注入は併せて算定できない。
(4) 複数の下肢創傷がある場合は主たるもののみ算定する。
(5) 軟膏の塗布又は湿布の貼付のみの処置では算定できない。
下肢創傷処置の対象となる部位 対象:足関節以遠(=下腿は含まれない)。 大きくわけると「足部(踵を含む) 」と「足趾 」の2つ。足部のなかで「踵」だけ特別扱い。 結論としては、足部(踵を除く) 、踵 、足趾 の3パーツで考える。
足部(踵を除く)、踵、足趾の3パーツにわかれる
「足部」は、本来「踵」を含むんだけど、下肢創傷処置では「踵」の重要性が強調されているので、「足部(踵を除く)」と記載されているよ。「足趾」が独立している点も注意が必要。
指導医
施設基準
潰瘍の深さの定義 潰瘍の浅い vs 深いの定義
下肢創傷処置の早見表 下肢創傷処置の早見表
レジデント
よく見ると「足趾の浅い潰瘍」は含まれてないですね?
そうなんだ。足趾の浅い潰瘍は従来の創傷処置(
J000-1 )で請求だね。
指導医
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小野真平(形成外科医)/ Shimpei Ono(Plastic Surgeon)
日本医科大学形成外科学教室 准教授/医師。Advanced Medical Imaging and Engineering Laboratoryを主宰。
手足の形成外科、マイクロサージャリー、再建外科を専門とし、臨床・研究・教育に従事。可動式義指の開発、VR教育、3D超音波や医用画像工学の応用、PROsを重視した研究を展開。
美術解剖学や医療イラストレーションにも造詣があり、芸術と医学の融合をテーマに講演・執筆。教育活動では学生・研修医指導のほか、東南アジア医学研究会(Ajiken)部長として国際医療交流・災害医療にも取り組む。
-その他 -J000-2 , 下肢創傷処置 , 下腿 , 足趾 , 踵
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