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薬の包装シート(PTP)を誤って飲んでしまった

# PTP(press through package)包装シートの誤飲

PTP包装シートとは錠剤を包装する方法の1つである。プラスチックとアルミからできている。プラスチック部分を押すと裏側のアルミが破れて錠剤が取り出せる。
・1996年以前のPTPは1錠ずつ切り離せるようになっていたが、誤飲事故が相次いだため、現在では1錠単位にならないように縦か横に一方向にしかミシン目が入っていない。ただし、結局は患者が自らハサミで切り離してしまうため、依然として誤飲事故はおこっている。

 

PTP包装シート
1錠ずつにならないように
一方向(縦or横)にしかミシン目が入っていない

■ STEP 1 
・83歳女性、TVを見ながら薬を飲もうとしたところ、誤ってPTP包装シートを誤って飲んでしまった。のどの違和感を主訴に救急外来を受診した。
・誤って飲んでしまったPTP包装シートは下の写真。自らハサミで切って1錠ずつにしていたとのこと。

■ STEP 2 
・まず、XpとCTを撮影する。
★Xpは正面像だけでなく側面像も撮るようにする。
★Xp単独では異物検出率が低いことが指摘されているため、病歴から異物誤飲を疑ったらCTを広範囲に(下顔面〜骨盤まで、症状が咽頭痛など限局していれば撮影範囲を狭めて)撮影する。
★本例のように明らかに誤飲のエピソードがあると診断は容易である。しかし、認知症を伴う高齢者が喉の違和感、咽頭痛、胸部痛などを主訴に来院した場合は、異物誤飲を疑うのが難しい。発見が遅れると食道穿孔→膿胸、縦隔気腫、縦隔炎をきたすことがあるため、異物誤飲の可能性を常に頭の片隅において読影することが求められる。
★CT読影のポイントは、
(1)消化管構造を追跡すること(食道→胃→十二指腸のように追っていく)
(2)Window幅を適宜調整すること

単純CT
食道内にPTPと思われる異物を認める

3D-CT

■ STEP 3 
・緊急内視鏡による摘出が必要である。
★救急患者を受け入れている二次救急病院では内視鏡当番の待機当直の先生がいることが多いので電話で相談する。いなければ夜間であっても内視鏡が可能な病院に転医させる必要がある。

■ STEP 4 
誤飲に対しては予防が大切である。
・具体的には、PTP包装シートを1錠ずつ切り離さないように保管し、高齢者や誤飲の可能性のある患者に対しては、介助者が内服時の見守りを行うように指導する。

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