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【診療Tips】FDS test、FDP test

Key Point Summary

屈筋腱:母指は、FPL 1本のみ。示〜小指は、FDSとFDP 2本ずつある。

FDSの断裂 → 第2関節が屈曲できない → FDS test陽性。

FDPの断裂 → 第1関節が屈曲できない → FDP test陽性。

ERで指の切創を診察する際に、指の感覚(神経断裂の有無)とFDS・FDP test(腱断裂の有無)は必ずチェックしよう。

 

 

 

 

Q & A

 

レジデント
FDS testをしたら、私の小指、曲がらないんですけど…

小指のFDSは解剖学的破格があって(=小指のFDSが生まれつき低形成な人がいて)、2〜3割の人では小指PIP関節の独立運動ができないと言われているよ。
指導医

レジデント
よかったです!FDSが切れてるのかと焦りました…

高齢になるにつれて、加齢変化による癒着等の後天的要因が加わり、小指PIP関節の独立運動ができる率は減少することがわかっているよ。小指のFDS testは腱がきれていなくても陽性になることがあると覚えておこう。
指導医

 

 

Outline

【解剖】

  • 母指の屈筋腱は、⻑母指屈筋腱(FPL)の1本のみ。母指末節骨底に停止し、母指IP関節とMP関節の屈曲をする。
  • 示指〜小指は中節骨底に停止する浅指屈筋腱(FDS)末節骨底に停止する深指屈筋腱(FDP)からなる。

 

母指だけ屈筋腱が1本、示〜小指は屈筋腱が2本、というのは重要なポイントだね!
指導医

 

  • FDSは、中節骨底に停止しているので、前腕にある筋肉が収縮するとPIP関節が屈曲する。さらに筋肉が収縮すると、MP関節の屈曲、手関節の掌屈にも関与する。
  • FDPは、末節骨底に停止しているので、前腕の筋肉が収縮するとDIP関節が屈曲する。さらに筋肉が収縮すると、PIP関節の屈曲、MP関節の屈曲、手関節の掌屈にも関与する。

 

 

母指の屈筋腱は長母指屈筋腱(FPL)1本のみ。

 

FDSとFDPの停止部の違い。腱の停止部をみると、どの関節が屈曲できるかを理解しやすい。 (理解しやすくするために示指はFDSのみ、中指はFDPのみ、環指はFDSとFDPの両方を図示した。)

 

FDS腱は中節骨底に停止するので、筋肉が収縮するとPIP関節が屈曲する。

 

 

FDP腱は末節骨底に停止するので、筋肉が収縮するとDIP関節が屈曲する。

 

 

【診断】

  • FDS、FDPの断裂がないかを確認する方法として、FDSテストFDPテストを覚えておきたい。
  • FDS単独断裂:指の自動屈曲は可能。FDS testは陽性である。
  • FDP単独断裂:DIP関節の屈曲は不能で、PIP関節の屈曲は可能。FDP testは陽性である。

 

 

FDS test

他の3指を伸展位に保持した状態で、患指のPIP関節が屈曲できれば陰性(=FDSは切れていない)となる。PIP関節が屈曲できなければFDS test陽性となる。

 

FDP test

DIP関節が屈曲できれば陰性(=FDPは切れていない)となる。DIP関節が屈曲できなければFDP test陽性となる。

 

 

ポイント

FDSの断裂=第2関節(PIP)が屈曲できない=FDS test陽性

FDPの断裂=第1関節(DIP)が屈曲できない=FDP test陽性

 

 

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