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【診療Tips】労災終了時に医師が行うこと|症状固定と診断書作成

労働災害(労災)とは?

  • 労働災害(労災)とは、仕事中や通勤中に発生したケガや病気のことを指します。
  • 労働者は労働基準監督署に申請し、署長からの認定を受けることで、労災保険給付を受けることができます。

 

症状固定とは?

  • 症状固定とは、治療を続けても症状の改善が見込めない状態をいいます。

治癒」は後遺症なく治った状態。「症状固定」は症状が残存している(例:関節可動域制限)が、これ以上治療で改善が見込めない段階だよ。
指導医

 

 

症状固定時に形成外科医が行うこと

  • 骨折:Xp(X線)撮影

  • 関節可動域:自動/他動、患側/健側を計測

  • 感覚障害:SWテスト、2PDテストを実施

  • 瘢痕:部位と長さを計測、写真で記録

  • 書類:患者に「障害補償給付支給請求書」(様式第10号)を入手してもらい、医師は「労働者災害補償保険 診断書 障害(補償)等給付請求用」を作成(文書係経由で提出)


 

「10号様式」は労基署で受け取るか、厚労省HPからダウンロードできるよ。
指導医

 

労働者災害補償保険 診断書 障害(補償)等給付請求用

 

 

障害等級と補償給付

労災の障害補償は、身体障害等級(第1〜7級)とは別の仕組みだから注意が必要だよ。
指導医

 

まとめ

  • 労災診療の終了時には、症状固定の判断と適切な書類作成が重要です。
  • 可動域・感覚・瘢痕の記録を正確に行い、診断書を提出することで、患者の補償につながります。

 

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小野真平(形成外科医)/ Shimpei Ono(Plastic Surgeon) 

日本医科大学形成外科学教室 准教授/医師。Advanced Medical Imaging and Engineering Laboratoryを主宰。 手足の形成外科、マイクロサージャリー、再建外科を専門とし、臨床・研究・教育に従事。可動式義指の開発、VR教育、3D超音波や医用画像工学の応用、PROsを重視した研究を展開。 美術解剖学や医療イラストレーションにも造詣があり、芸術と医学の融合をテーマに講演・執筆。教育活動では学生・研修医指導のほか、東南アジア医学研究会(Ajiken)部長として国際医療交流・災害医療にも取り組む。

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