Key Point Summary
シーネ(ドイツ語) = スプリント(英語)= 添え木。 シーネの目的は患部を固定することである。 "不適切な固定" や "不要に長期間の固定"は、医原性の関節拘縮をまねくので×。
Q & A
Outline
【定義】
- シーネ(schiene)はドイツ語。英語ではスプリント(splint)という。
- シーネは骨折した部位や関節などを固定するための「棒(板)」のことである。そのため、副木(ふくぼく)や副子(ふくし)ともいう。
- シーネの目的は患部を固定すること(=動かないようにする)である。
【適応】
- シーネ(固定)が必要な状態:
骨折、捻挫、脱臼の整復後、腱縫合後、靱帯修復後、炎症(関節炎・腱鞘炎など)、関節上での皮膚縫合後、など。
- 固定をすることの利点:
骨のアライメントの維持、炎症や痛みの軽減、治癒の促進、創部の保護、など。
Step by Step
■ Step 1: 固定する関節を決定する。
- シーネで固定する関節を決定する。
- 今回の症例は、母指背側の横方向の切創の縫合後である。術中にIP関節を最大屈曲位にすると創縁の緊張が増すことがわかったため、アルフェンス®をIP関節伸展位で指背側からあてがう方針とした。(もしMP関節の屈曲が創縁の緊張に影響するようであれば、MPを伸展位固定すればよい)
掌側からあててもよいが、背側からのほうが確実に伸展位にしやすく、またPIP関節屈曲時に邪魔にならない。
■ Step 2: アルフェンス®を準備する。
■ Step 3: 指にあてがう。
- 背側からIP関節伸展位で布テープ固定する。
- 布テープの代わりに"3M コーバン(自着性弾力包帯)"も使いやすい。
■ コスト
- 四肢ギプス固定(J122)
J122-2の手指を選択する
Anne SB et al. Principles of casting and splinting. Am Fam Physician 2009;79:16-22.
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