ER plastic surgery concerning the ear, nose, and throat
How to make bosmin gauze for nose bleeds and nasal bone fractures? Key Point Summary 鼻出血の止血、鼻骨骨折の整復前処置で使用する"ボスキシガーゼ"の作り方を解説する。
ボスキシ液 = 5000倍ボスミンと4%キシロカインを1:1で混ぜる。
ガーゼは、X線造影糸を織り込んだ"X線コメガーゼ"を使用する。
"X線コメガーゼ"を"ボスキシ液"に浸して使用する。
上記のボスキシ液の組成は一例になります。各施設でプロトコルが異なる可能性がありますので、御確認お願いします。
medical advisor
Q & A
resident
鼻出血の止血や鼻骨骨折を整復固定する時に鼻腔内に"X線コメガーゼ"を詰めると思います。その時の薬剤と濃度を教えてください。
5000倍ボスミンと4%キシロカインを1:1(例えば5mlずつ、計10ml)で混ぜて薬液をつくるよ。その薬液を"X線コメガーゼ"に浸して鼻腔内に充填するといいよ。通称、"ボスキシガーゼ"って呼ばれるよ。
medical advisor
resident
5000倍ボスミンは、0.1%ボスミン1mlと生食4ml合わせて作るよ。ボスミン生食の濃度としては0.02%になるよ。
medical advisor
上井廉絵先生、5000倍ボスミンに関する情報、ありがとうございます!
medical advisor
Step by Step ■ Step 1:5000倍ボスミンをつくる
0.1%ボスミン1mlと生食4mlを混ぜると① 5000倍ボスミンが5ml できる。
0.1%ボスミン1Aにすでに水1mlが入っているので、水(生食)を4ml加えることで水は計5mlになるよ。
medical advisor
■ Step 2:4%キシロカインを準備する
■ Step 3:ボスキシガーゼをつくる
上記①②を混ぜて10mlのボスミン+キシロカイン液 (以下、ボスキシ液)をつくり、シャーレ内にいれる。 X線コメガーゼ を適当な長さ(10〜15cm)にきり、シャーレ内で浸す。X線コメガーゼは滅菌パックに入って管理されている病院が多いと思います。
medical advisor
■ Step 4:ルーツェ鑷子で鼻腔内にX線ボスキシコメガーゼを充填する
ルーツェ氏鼻用鑷子(以下、ルーツェ鑷子:るーつぇせっし)で、X線ボスキシコメガーゼ を鼻腔内に充填する。 鼻腔内に充填するコメガーゼは必ずX線コメガーゼを使用しよう。
medical advisor
詰めたX線コメガーゼの数はカルテに記録する習慣をつけよう。クシャミしてガーゼがでてしまった時に、X線コメガーゼが鼻腔内に残存しているかがすぐにわかるよ。X線ガーゼが残存しているか判断に迷うときは、顔面骨Xp撮影をしよう。
medical advisor
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さらに深く学びたい人へ ■ PEPARS 112: 顔面骨骨折の治療戦略 久徳茂雄/編
"鼻骨骨折・鼻篩骨骨折"に関して、発生機序、損傷の程度、診断、治療法の違いを重村友香先生が解説している。 PEPARS 112の前版である"PEPARS 18: 顔面骨骨折の治療のコツとpitfall"は、在庫切れで購入ができない(2021年9月現在)。PEPARS 18内の鼻骨骨折の稿で酒井成身先生が「鼻腔粘膜に血管収縮剤として5000倍ボスミン液と4%キシロカインを1:3ほどに加えた表面麻酔剤を込めガーゼに浸して鼻腔内に挿入タンポンとして20分くらい入れておく」と記載している。 ボスキシガーゼの濃度(組成)は施設やドクターによって違うのがわかるね。自施設でプロトコルを作成して、看護師さんや薬剤師さんと共有しておくことが大切だね。
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■ 顔面骨骨折の治療の実際(形成外科診療プラクティス) 平野明喜 編
吉本信也先生「局所麻酔薬:4%キシロカインにエピネフリンを添加してエピネフリンの濃度を5000倍から1万倍に調整する」「粘膜表面麻酔:エピネフリン添加局所麻酔薬(リドカイン)を染みこませたガーゼを鼻腔内に充填する。リドカインゼリーを絡めるとスムースに入れやすい」
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■ フェイシャルフラクチャー 菅原康志 編著
「2%ボスミン加リドカインを浸したコメガーゼを鼻腔内に挿入し、そのまま10分ほど待つ。」 鼻骨骨折の整復固定の流れが、わかりやすいイラストとともに流れで解説されている。ビギナーは必ず読んでおきたい名著。
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Shimpei Ono (Plastic Surgeon)
日本医科大学形成外科学教室 准教授/医師。Advanced Medical Imaging and Engineering Laboratoryを主宰。
手足の形成外科、マイクロサージャリー、再建外科を専門とし、臨床・研究・教育に従事。可動式義指の開発、VR教育、3D超音波や医用画像工学の応用、PROsを重視した研究を展開。
美術解剖学や医療イラストレーションにも造詣があり、芸術と医学の融合をテーマに講演・執筆。教育活動では学生・研修医指導のほか、東南アジア医学研究会(Ajiken)部長として国際医療交流・災害医療にも取り組む。
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