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【LifeHack】学会発表や論文で使えるメディカルイラストレーションの描き方

Key Point Summary

Keynoteを使ったメディカルイラストレーション(MI)の描き方を解説する。

Keynote MIは学会発表や論文投稿の時に有用な技術である。

WindowsのPowerPointでも同様の操作でイラスト作成が可能である。

こんな画像が10分で描けるようになるよ!
medical advisor

 

 

 

 

Q & A

 

resident
学会発表や論文でイラストが必要な時があると思います。イラスト業者さんに依頼してますか?
自分で描いているよ。他の人が描いたイラストは著作権の問題があって使用できないことが多いからね。
medical advisor
resident
どんなソフトを使ってるんですか?
特殊な描画ソフトは使ってないよ。MacのプレゼンテーションソフトのKeynoteを使ってる。このHPのイラストも全部それで作成したものだよ。
medical advisor
resident
私...絵が苦手なんですが...
今から紹介するKeynote medical illustration(Keynote MI)は絵が苦手な人でもある程度のクオリティーのイラストを簡単に作成できるよ。下の本でも詳しく解説しているので、興味があったら読んでみて。
medical advisor

 

 

アクセプトされる論文に必要な3つのこと

    • ポイント

      • 論文の本質(内容・アイデア)が優れている
      • 美しく論理的な文章の流れ
      • 綺麗でわかりやすい図・表・写真
きれいでわかりやすい図(イラスト)は、論文のアクセプト率をアップさせるよ!
medical advisor

 

 

理想的なMI

  • われわれは医師であってプロのイラストレーターではない。
  • MI作成に求められるのは、”質quality/労力cost” ↑
  • 理想的なMIの3条件は:1. うまい(=Qualityが高い) 2. 安い(=初期導入費用が安い)3. 早い(=簡単な操作で短時間で作成できる)

resident
iPadとタッチペンで上手にイラストを描いている医局員の先生もいますね。
最近、イラストレーターにイラストを依頼をしやすいオンライン環境が整ってきたよ。自分で描くのが面倒な人は、ココナラ(いろんな専門家にネット依頼するサイト)などを利用してイラストを依頼するのもありだね。
medical advisor
 

 

 

 

 

Step by Step

 

■ Step 1

  • MacのプレゼンテーションソフトであるKeynoteを使用する。

 

■ Step 2

  • イラストにしたい写真をスライドに貼り付ける。
  • 今回は耳を描画する。

右側の「スタイル」「イメージ」「配置」を頻用するよ。
medical advisor

 

■ Step 3

  • 画像を選択して、「スタイル」のなかにある不透明度を50%程度にする。
  • 画像が薄くなる。

不透明度を下げた方が描画した線が見やすくなるよ。
medical advisor

 

■ Step 4

  • 「図形」から1番右上の「曲線」を選択する。

ドットをつなげて描画するよ。
medical advisor

 

■ Step 5

  • 耳の輪郭にあわせて一定の間隔でクリックする。
  • クリックした箇所は□で表示され、□と□の間は直線で結ばれ、折れ線になる。

□の位置は後から微調整できるので、粗く置いていけばよい。□と□の間隔は広めにしたほうが速く描画できる(□は後から追加することもできる)。

 

■ Step 6

  • 輪郭に沿って折れ線をひきおわったら、□をダブルクリックする。
  • ダブルクリックすると□は表示になり、曲線表示になる。

□の位置の微調整もこの時にできるよ。
medical advisor

 

■ Step 7

  • 必要な輪郭をすべて描画する。

耳の輪郭だけで事足りるのであれば、下絵を消せば完成だよ。ここまで、慣れれば2〜3分でできるよ。
medical advisor
画像ファイルとして抽出する場合は、【command】+【shift】+【3】を同時に押すとスクリーンショットがとれるよ。
medical advisor

 

 

■ Step 8

  • 線だけだとさみしい場合は、背景を肌色にする。
  • 「図形」から四角を選択して「スタイル」の「▼塗りつぶし」で「カラー塗りつぶし」を選択し、肌色を選択する。

「カラー塗りつぶし」ではなく、「グラデーション塗りつぶし」や「グラデーションの塗りつぶし(詳細)」を選択するとさらに質の高いイラストになるよ。
medical advisor

 

■ Step 9

  • 耳の輪郭をすべて選択してコピーする。
  • 肌色の背景の上にペーストすると2次元の耳のイラストが完成する。

このイラストで十分であれば、ここで終了。これより先は、アドバンストコースになるよ。
medical advisor

 

 

 

■ Step 10: アドバンスト① 影をつけて3Dっぽくする。

  • Step 9の2Dイラストだと物足りないときは、影を追加して3Dっぽい表示にする。
  • 先ほどの要領で、影の部分を囲う。
  • 囲った内部の色を、濃い肌色(=ベージュ)に設定する。

影の色は、描画している対象物のオリジナルの色を暗くした色を選択すると自然な感じになるよ。
medical advisor

 

■ Step 11

  • 枠線を消去する。
  • 「スタイルの「▼枠線」から「枠線なし」を選択する。

影は枠線がないほうが自然な感じになるよ。
medical advisor

 

■ Step 12

  • 影の不透明度を50%程度に下げる。

 

■ Step 13

  • 下絵を消去して、背景に肌色を置く。

理解しやすいように「下書きを消去」と書いたけど、後から下書きを見たいこともあると思うので、ページを増やして、「下書き」「描画」「背景」などで分けて管理しておくと楽だよ。
medical advisor

 

 

■ Step 14: アドバンスト② グラデーションを使いこなす

  • 背景の肌色を「カラー塗りつぶし」ではなく、「グラデーション塗りつぶし」や「グラデーションの塗りつぶし(詳細)」を選択するとさらに質の高いイラストになる。 

グラデーションするときの色のオススメは、「肌色」と「白に近い肌色」の組み合わせだよ。いろいろいじって自分の好きな感じに調整しよう!
medical advisor

 

■ Step 15

  • 完成したらすべて選択してグループ化する。

「グループ化」は必須ではないけど、画像を回転したり、反転させたいときに便利だよ。「配置」から回転や反転を選ぶよ。例えば右耳のイラストがほしければ、グループした画像を反転すれば一瞬だよ。
medical advisor

 

■ Step 16

  • 完成!

影を追加することで、3次元っぽい画像になったね!
medical advisor
こうやって、耳、口、鼻、のようにテンプレートを作成しておけば、使い回しできるよ。
medical advisor

 

■ Step 17: アドバンスト③ 複雑なイラストではレイヤーを意識する

  • さらに複雑なイラストを作成したいときは、レイヤーを意識するとよい。
  • レイヤーごとにグループ化して、最後にグループを重ねて表示をする。

骨が透けた手のイラストを作成したいとする。

手のレイヤー(層)と骨のレイヤーを別々に作成して、それぞれをグループ化する。

2つのレイヤーを合体させて画像が完成する。

 

さらに色んなレイヤーを組み合わせて…

自分が欲しいイラストを作成する。このイラストは1時間ほどかかった。

 

あまりに複雑な画像はプロ(イラストレーター)に依頼するのもありだね。費用対効果を考えて選択しよう。
medical advisor

 

 

■ 学会発表や論文でどう使う?

medical advisor
一度テンプレートをつくったら色々なことに使えるよ。具体的な使い方を提示するよ。

 

 

resident
私にできるかな…?先生はもともと絵が得意だからできるんじゃないですか?
私が最初に描いたのコレ↓だよ…形成外科医1年目の時。全然うまくない...w  Keynote MIは、練習すると誰でもすぐに描けるようになるよ。質の高いMIを駆使して、日本から発表される論文の質が高まるといいね。
medical advisor

 

 

 

 

 

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Shimpei Ono (Plastic Surgeon)

Associate Professor, Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Nippon Medical School. He specializes in hand and foot plastic surgery, microsurgery, and reconstructive surgery, and is involved in clinical practice, research, and education. His research interests include the development of movable prosthetic fingers, VR education, application of 3D ultrasound and medical imaging engineering, and emphasis on PROs. He also has an interest in art anatomy and medical illustration, and lectures and writes about the fusion of art and medicine. In his educational activities, in addition to teaching students and residents, he is also involved in international medical exchange and disaster medicine as the director of the Association for Southeast Asian Medical Research (Ajiken).

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