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【診療Tips】注射が痛くないペンレステープ(貼付用局所麻酔剤))

Key Point Summary

ペンレステープは、リドカインを有効成分とする貼付用局所麻酔剤である。

処置の(30分〜)1時間前に貼付する。

極量があり、「大人は6枚・子どもは2枚までが安全」と覚えておく。

 

Q & A

resident
ペンレステープって、薬局やドラッグストアで自由に購入できるようにして、注射前に貼付を希望する患者さん全員が貼れるようにしたらいいのに…それはダメなんですか?

アレルギーや接触性皮膚炎などのリスクが少なからずあるのと、貼付枚数の制限もあるので、基本的には医師の管理のもとで使用することになっているよ。
medical advisor

resident
保険は適応されますか?
①静脈留置針穿刺、②水いぼ除去、③皮膚レーザー照射前に限って適応があるよ。
medical advisor
resident
陥入爪手術のブロック注射って痛いから、ペンレステープを貼付してからブロック注射するといいと思うんですが…それは保険適応外なんですね?
そう。もしペンレステープを自費購入して貼付し、陥入爪手術をした場合、厳密には保険と自費が混在した混合診療になってしまうよ。保険診療下において、ペンレステープは使いづらい仕組みになっているね。将来的に、保険適応がもう少し広がってくれれば、医療の質が向上するね。
medical advisor

 

 

Outline

【ペンレステープ】

 

 

【禁忌】

  • 本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者。
アミド型の局所麻酔薬は6つ:マーカイン、カルボカイン、アナペイン、ポプスカイン、エムラ、ネオビタカイン、だよ。
medical advisor

 

 

【効能・効果】

 

① 静脈留置針穿刺時の疼痛緩和

② 伝染性軟属腫(水いぼ)摘除時の疼痛緩和

③ 皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和

 

 

【用法・用量】

① 静脈留置針穿刺時

→ 1回1枚、穿刺予定部位に約30分間貼付する。

② 伝染性軟属腫(水いぼ)摘除時

→ 患者は小児のことが多いため1回2枚を目途に、伝染性軟属腫摘除予定部位に約1時間貼付する。

③ 皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和

成人には1回6枚まで、小児には下記枚数までを、レーザー照射予定部位に約1時間貼付する。

ペンレステープの年齢ごとの極量

 

 

【薬物動態】

  • 血清中のリドカイン濃度は貼付してから2時間程度でピークをむかえる。

血清中リドカイン濃度の経時的推移

 

これはあくまでも血清中のリドカイン濃度なので注意が必要だよ。貼付部の皮膚に最大効果が発揮されるのはもう少し前(貼付後、1時間程度)ということになるよ。
medical advisor

 

 

【保険請求】

  • ①静脈留置針穿刺時の疼痛緩和、②伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和、③皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和、に使用した場合にのみ算定可能である。
  • その場合、(40)処置欄や(50)手術・麻酔欄などに記載して請求する
  • 医師が処方箋で投薬することはできない。

静脈留置針穿刺時の疼痛緩和に使用した場合の保険請求について

伝染性軟属腫摘除時における使用方法および保険請求について

 

シミ除去目的の美容レーザーの前処置でも使用されることはあるよ。その場合は、保険は効かないため、1枚100〜200円で自費購入するシステムになっている美容クリニックが多いよ。
medical advisor

 

 

Step by Step

■ Step 1 

  • 施術予定(予約時間)の1時間前にペンレステープを貼付する準備をする。
  • 準備物品:ハサミ、サージカルテープ
medical advisor
30分~1時間貼付し、剥がした後は1~2時間麻酔効果が持続するよ。ただし、麻酔効果はあまり長時間持続しないので、ペンレステープを剥がした後はすぐに処置が始められるように逆算するといいよ。

ペンレステープ18mg(マルホ)

 

 

■ Step 2 

前腕に1×1cmに切ったペンレステープを貼付した状態。

 

 

■ Step 3 

  • 汗をかくとテープが剥がれ、麻酔効果が薄れるため、処置するまでは、なるべく涼しい部屋静かに過ごす。
  • 剥がれやすい場合は、上から紙テープ(サージカルテープ)などで補強するとよい。

 

【診療Tips】局所麻酔薬の極量 はこちら

 

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Shimpei Ono (Plastic Surgeon)

Associate Professor, Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Nippon Medical School. He specializes in hand and foot plastic surgery, microsurgery, and reconstructive surgery, and is involved in clinical practice, research, and education. His research interests include the development of movable prosthetic fingers, VR education, application of 3D ultrasound and medical imaging engineering, and emphasis on PROs. He also has an interest in art anatomy and medical illustration, and lectures and writes about the fusion of art and medicine. In his educational activities, in addition to teaching students and residents, he is also involved in international medical exchange and disaster medicine as the director of the Association for Southeast Asian Medical Research (Ajiken).

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