Key Point Summary
皮膚マスト細胞の脱顆粒がおこり、ヒスタミンが放出され、紅斑、膨疹、痒みが生じる。
治療の第1選択は抗ヒスタミン薬の投与、ダメならステロイドの点滴静注も考慮する。
Q & A
.jpeg)
.jpeg)
.jpeg)
.jpeg)
Outline
【病態】
- なんらかの原因により皮膚マスト細胞(肥満細胞)の脱顆粒が起こり、ヒスタミンが放出され、小血管拡張による紅斑、血管透過性亢進による膨疹、知覚神経刺激によるかゆみなどが生じる。
- 皮疹は24時間以内に消失する(一過性)。

痒みをともなった膨疹を散在性に認める。

痒みをともなった膨疹を散在性に認める。
【原因】
- ①直接的誘因: 外来抗原(ホコリなど)、物理的刺激(擦れ)、発汗、食物、薬剤、運動
- ②背景因子:抗原感作、感染、疲労・ストレス、薬剤、基礎疾患)
- 一方で、聴取しても原因不明なことも多い。
.jpeg)
【緊急受診を要する場合】
- 蕁麻疹はERに問い合わせがくる頻度の高い疾患の1つである。緊急受診を要するキーワードを紹介する。
① 呼吸困難、喘鳴
② 咽頭・喉頭の浮腫 → 嚥下障害、嗄声、咳
③ 顔面(特に口唇・眼瞼)の浮腫
.jpeg)
【治療方針】
- 原因がわかれば原因の除去、抗ヒスタミン薬の投与が治療の基本となる。
【呼吸困難 and/or 血圧低下を認める場合】→基本的に入院管理
① 気道確保、O2吸入
② 静脈路の確保と輸液
③ アドレナリン:ボスミン® 0.3~0.5mg 皮下注射

1cc=1mgなので、0.3〜0.5ccを皮下注射する。
④ 抗ヒスタミン薬の点滴静注: ポララミン1A+生食100ml 点滴静注
⑤ステロイドの点滴静注: ソル・コーテフ100mg+生食100ml 点滴静注
.jpeg)
【呼吸と循環が安定している場合】→帰宅可
- 上記の④抗ヒスタミン薬の点滴静注(ポララミン1A+生食100ml )をする。
- それでも効果が乏しければ、⑤ステロイドの点滴静注(ソル・コーテフ100mg+生食100ml)を追加する。
.jpeg)
.jpeg)
【帰宅時の処方箋】
- アレジオン(20mg) 1回1錠 1日1回 寝る前(ERであれば通常1〜2日分)
.jpeg)