Key Point Summary
上肢の末梢神経は、正中神経、尺骨神経、橈骨神経の3本からなる。
損傷部位よりも遠位で、麻痺と感覚障害が生じる。
Outline
末梢神経の解剖
- 末梢神経の解剖学的構造:末梢神経の最小単位は神経軸索(Axon)である。神経軸索が数千本束ねられて神経周膜(perineurium)で包まれたものを神経線維束(fascicle)と呼ぶ。さらに神経束は1〜数本単位で束ねられて神経上(外)膜(epineurium)で囲まれて末梢神経を構成している。

末梢神経の解剖
手掌の神経
- 正中神経(median nerve)は、手部では母指球筋の一部(母指内転筋以外: 短母指屈筋の浅頭、短母指外転筋、母指対立筋)と虫様筋(第1、第2)に運動枝をだす。それ以外は感覚枝であり、母指、示指、中指、環指橈側の感覚を司る。
- 尺骨神経(ulnar nerve)は、Guyon管(手根部尺骨神経管)内で、浅枝(感覚枝)と深枝(運動枝)に分岐する。浅枝は環指尺側と小指の感覚を、深枝は小指球筋、掌側骨間筋、背側骨間筋、虫様筋(第3、第4)・母指内転筋、短母指屈筋を支配する。
- 掌側指神経はPIP関節以遠で、指背に知覚枝をだす。
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Nerves of palm hand

手掌の神経

手の知覚分布
手背の神経
- 橈側は、橈骨神経浅枝(Superficial branch of radial nerve)、尺側は尺骨神経背側枝(Dorsal cutaneous branch of ulnar nerve)で支配される。
- 橈骨神経(radial nerve)は、手関節以遠では運動枝はなく、上記の感覚枝のみである。
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Nerves of dorsal hand

手背の神経
上肢の知覚・感覚障害クイック診断
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上肢の知覚・運動障害のクイック診断
