Key Point Summary
四肢の手術において術後の患肢挙上は、浮腫や血腫の予防の観点から重要である。
腕神経叢ブロックを併用した上肢手術の術後は、患肢が麻痺しているため、患者は自ら患肢を挙上するのが困難である。
ストッキネット+点滴棒で患肢を挙上すると管理しやすい。
Q & A
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Outline
【シーネ外固定】
- 写真は指の皮弁手術後。
- 指間にさばきガーゼをいれる。
- 青綿を巻く。
- 手関節をまたいで背側からオルソグラス3号+弾性包帯で固定する。基本的には手関節、MP関節、IP関節、いずれも伸展位で問題ない。
ケガの種類によって術後の固定方法は異なるが、多くの場合はこのシーネで問題ない。(例外:屈筋腱縫合では背側から手関節やMP関節を屈曲位で固定する。)

指間にはさばきガーゼをいれる。

シーネを背側からあてる。
【ストッキネットと点滴棒で挙上】
- ストッキネットの中枢側は肘より近位までかぶせて(肘より遠位だと吊したときに引っこ抜けるため)、遠位はハサミで穴をあけて点滴棒にひっかける。
- 肘が手台から浮かないぐらいの高さで吊るとよい(点滴棒のほうで高さを調整する)。
手指はストッキネットに穴をあけて外にだしておくと患部が観察しやすいうえに、ストッキネットが引っこ抜けづらい。

ストッキネットと点滴棒で挙上する。
【病棟での管理】
- 肘が浮かないようにストッキネット&点滴棒で吊るすとよい。
- 肘周囲を保冷材で冷却する。
さらに肘周りを枕で固めると、患肢の不安定さがなくなり、患者は楽である。

病棟での患肢挙上の実際:ストッキネットを点滴棒で吊って、肘周りを保冷材で冷却している。
【外来・自宅での管理】
- 三角巾でもよいが、アームスリングが便利。ネットで簡単に購入できる。
- 三角巾と比較して、腕の位置の調整がしやすく、首の痛みも少ない。
- 母指をひっかけられるタイプがズレなくてよい。
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アームスリング