Key Point Summary
生ワクチン接種後は 4 週間(最短 3 週間)、不活化ワクチン接種後は 2 週間(最短 2 日)は、全身麻酔手術を避ける。
病院(麻酔科)によって基準が異なるので要確認。
Q & A
ワクチン接種をしてすぐは、全身麻酔手術ができないって聞いたんですが…
その通りだね。生ワクチン後は 4 週間(最短 3 週間)、不活化ワクチン後は 2 週間(最短 2 日)は全身麻酔手術を避けたほうがよいといわれているよ。
なんでワクチンの種類によって期間が異なるんですか?
ワクチン接種後〜全身麻酔手術まで何日空けなくてはいけないかに関して、明確なエビデンスはないよ。生ワクチン後の「最短3週間」、不活化ワクチン後の「最短2日」は、ワクチンをうった後に副反応が出現しうる時期に相当するよ。全身麻酔手術とワクチン接種を同時におこなうと副反応がでたときにどちらが原因かわからなくなってしまう(もしくは副反応が増強してしまう)、抗体を産生するべき時期に、手術や麻酔により免疫が抑制されることで抗体の産生が不十分となる可能性があるので、全身麻酔手術とワクチン接種はずらすことが推奨されているよ。
生ワクチンと不活化ワクチン
- 生ワクチン:麻疹、風疹、麻疹風疹混合、BCG、流行性耳下腺炎、水痘、ロタ
- 不活化ワクチン:ビブ、三種混合、四種混合、日本脳炎、インフルエンザ、B型肝炎、肺炎球菌、ヒトパピローマウイルス、ポリオ
日本医科大学付属病院における基準
- 生ワクチン接種後は3週間(接種日を0日とする)、不活化ワクチン接種後は2日間、全身麻酔手術は避ける。
- ただし、心臓血管外科手術など侵襲の大きな手術を実施する場合、生ワクチンは接種語4週間は全身麻酔手術を避ける。
- 新型コロナワクチンは、7日間(接種日を0日目とする)は全身麻酔手術は避ける。
余裕をもって「生ワクチンは4週、不活化ワクチンは2週、空ければ良い」と覚えておけば間違いないね。
これはあくまでも待機手術の話であって、緊急手術は例外だよ。
全身麻酔後はいつから予防接種可能?
- 小手術は 2 週間、侵襲の大きい手術後は 4 週間(最短期間はともに 1 週間)
全部まとめると、全身麻酔手術の前後でそれぞれ1ヶ月(4週)以上空ければ、ワクチンの種類や手術の侵襲度にかかわらず、すべての条件を満たすことができるね。
ポイント
ワクチン接種〜全身麻酔までの猶予期間
- 生ワクチン:4週
- 不活化ワクチン:2週
- コロナワクチン:1週
※接種日を0日とする。
参考文献